メディアと広告代理店。そして広告制作の向かうべきところ。

正直なクリエイティブをしていきたい。もう少し突っ込むと関係のない圧力が無い仕事をしたい。

最近、大手広告代理店の一部の会社の問題が指摘されている。私は制作会社を営む一般人として代理店とクライアントの作り出す情報の消費者へのアウトプットまでの彼ら同士の道のりの中で両者の問題を実際に感じた事がある。

 

あるナショナルクライアントの仕事で、その広告代理店の人間4人でお客サマのところに行った。A3サイズに大き目の文字で企画趣旨が書かれていて(アイドマの変形)だから、こういう流れになりますよというプレゼンだった。簡単な企画書で羨ましくも思った。相手からはここをこうしてほしいという返答が帰ってきた。だいたい2時間ぐらいで終わった。


 

急いで二日後のデザイン案に間に合わさなければと事務所で作業を始めた。しばらくすると代理店の中で異論がある部分が出たので、変更した別案も出してほしいと電話がかかってき、ついては打ち合わせをここでしたいとの事。ここまではよくあるので、なんとかしなければと思い会議を開きデザインを追加した。それを携えデザインプレに代理店と朝一緒に向かった。まだ、代理店からの作業発注書と予算はわからないまま進まなければならい。これもクリエイティブ業界ではやってみなければわからないところもあるので多少は理解出来る。その上で、いろいろな意見がまたでた。それを実現するために受け入れて作業を始めた。そしてプレゼンをしておおよその承認を得る。その後事務所に帰る。

 

するとお客様からの追加と変更箇所があると電話がかかってきた。朝は赤だったのに夕方は青にしてほしいと言う。お客様と代理店の話に我々も振り回された。そしてその内容を修正したデザインを見せに行った。また、お客様の担当者が入れ替わり立ち代り変わり違う意見を言う。混乱と疲労のグレーゾーンが始まった。そしてその内容を入れ込んだコンテンツとデザインをプレゼンに追加で作り込んだ。二週間ほどそのような状況が続く。そろそろ本番の制作に入らないと間に合わない。雨用曲折乗り越え、クライアントも代理店も十分納得していただけて、ディテールの作り込みにかかった。

 

しかし三日後には違う担当者が出てきて最もまともな意見を言い出した。私はクライアント内部で何でこんなにもまとまらないのか驚いていた。さらに驚きはそれでは終わらなかった。なんと大手広告代理店の人間3人がバーッと立ち上がり、「あなたの事を◯◯氏に言うぞ。」と発言した。そのお客様は後ろにのけぞって青ざめた。その◯氏と言うのは多分その広告代理店の上層部もしくはお客様の上層部だ。担当者の人事移動を感じさせた。そのようにして企画案の混乱を収めた。いろいろな代理店とおつきあいをさせていただいているが、こんな光景を見たのは初めてだった。

 

私は呆然とそれを見ていただけであった。趣旨をまとめきれないクライアントの担当チームも悪いが、そのお客様の人生に影響を与える人事的な移動を示す発言を外部の人間が、影響力を当然持っているように行使出来るのは私の仕事のいままでの経験上ないことだった。これにより作業内容は、まとまって助かった事は確かにありがたかった。しかしお客さま職務の立場を揺さぶってまともな話をできないようにクリエイティブの場を行使したのであれば問題だとも思った。企業と広告代理店のトップ同士の関係はどのようなものなのだろう。

 

クライアント側もそうだがクリエイターは広告代理店からお金をいただくので、もっと正直な話ができなくなるし、信念も変えてしまいかねない。そんな弱さが自分でも怖い。

 

話は変わるが、昨今、インターネット経由やいろいろなところから情報が伝わってくるが、もしそのような事が出来る環境と立場であれば、クライアントをテレビ局や新聞社のメディアを大量に買い込んみ、広告を提供していく事でマスメディアの上層部も支配をする事はネットでも言われている様に簡単だと思う。代理店がお金を出してあげて、あなたたちメディアは生きているのだという事の見返りで情報は操作出来るのは本当だろう。また広告代理店のメディアとの資本提携もそのための手段として使える。一般大衆は今までは知らされていなかったが、もうみんな知り始めている。

 

そのようにして私たち消費者はスポンサー担当者の真のメッセージを見ているのではなく、スポンサーの上層部と大手広告代理店から支配されたメッセージを見せられ誘導されている事は事実なのだろうか。多分そうなのだろう。あれほど戦後、みんな焼け野原から信じあい支え合ってきたのに。。

 

私が広告主と広告制作者に今一度考えてほしいところは、今までの広告の一方向のメッセージを伝える時代に代表された大衆への操作されたメッセージではなく、そのサービスや商品の望まれているところ、本当に良いところ、役立つ価値がある事を嘘いつわりなく発してほしいことだ。真実の情報を拠り所にした広告だ。これからの時代は正直さを柱とした広告が大衆から支持され伸びるだろう。とてもシンプルな話だが、実はとても難しい事なのだ。